こえにできない/あぐり
ふかくねむることを
とてもとても求めているのに
痛くていたくて
指先までさみしさがはしって
からだが夜をこわがっている
明日の憂鬱を予測しながらまた
わたしは一錠よぶんなものを飲み下し
それはわたしのからだを生成するうえでなんの必要性もない欠片だと知りながらも飲み下し
楽になろうと楽になろうと
こうして言葉を吐き出している
(多角形の空を見上げて歩いていた九時間前は
こんなふうに震えてる夜など忘れていた
狭苦しい街の中で
うまくいきていると信じこんでいるわたしはかわいいとおもう)
明日のからだはきっと崩れて
立てないことを予測しながらまた
いらない一錠をグレープジュースで流し込んで
たすけて
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