氷の犬/月乃助
氷の海を
樹氷の白い陽炎を
蜃気楼のようにみさだめ
陽に輝く月をめざして
なにもおそれることなどない
さらけ出した、気持ちを
あるがままに
責められるままに
氷に閉じ込められていた
ながいあいだ
I said nothing to the frozen straight.
そこが海だったなんて思い出しようもない
ただ、手に入れたものを大事にしながら
犬神のように駆け去る
離れては、はるか
銀嶺の山脈をぬき去り
息をもつけぬ その速さに
目まいもせずに
一点を見つめながら
つきすすめ
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