RPG/音遥
うか。
あの子は、覚えているだろうか。
僕が存在していることを。
ここにいることを。
22年と何ヶ月か前、僕が生まれたことを。
いつだって、ここには僕がいた。
僕が生まれてから、僕がいなかったことは一度も無い。
なのに、どうしてこんなにも不安なのか。
僕は、どんな風に映っているのか。
僕には見ることはできない。
僕は、どうして生きているのか。
僕には知ることは出来ない。
ロールプレイングゲームとは、ワケが違う。
経験値を貯めたら、レベルが上がるわけではない。
だけど、得られる物もあった。
信じられる物が出来た。
ふと、外が心配になった。
あの子はあの場所にいるだろうか。
気が付いたら、雨は小雨になっていた。
傘はもう、いらないかもしれない。
今日は、僕が得意なオムライスを作ろう。
部屋干しかもしれないけれど、洗濯もしよう。
洗い物もしなければいけないな。
こうやって、いつもの一日が始まる。
今日はもうすぐ、晴れそうだ。
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