やっぱりさみしさだとしても/あぐり
 
が触れると
ぼくのひたいはやらかくあたたかくなる

さみしいと、
その隙間に、
詰めていく、
そんな、
そういう、
そんなものではないのに。

あなたの感情をもとめている
あなたのしあわせをもとめている
あなたがなんの代用でもないように
あなたがたったひとりのあなたであるように
ぼくのさみしさを埋めていくのはあなただけども
あなたのさみしさを産み出しているのは
紛れもないぼくだというそんな事象を嘆くほどには
もうぼくは子どもじゃなくて
せかいはまだずっとまわっていて
ぼくは少しそれを愛してしまうよ

明日もさみしさにうたれたとしても
あなたの名前をぼくがさがしたとしても
それはきっと
あなたをかなしくさせるそんなものじゃないから
出来る限りの瞬間を重ねてぼくにあなたの名前を与えてほしい
ひとりきりで毛布にくるまりながら呼ぶよ
ささやかなぼくのせかいにあなたがひとりいてほしい
そんな感情につける名前は
やっぱりさみしさだとしても
ささやかなぼくのせかいに
あなたがただひとりいてほしい




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