やっぱりさみしさだとしても/あぐり
 
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さみしいとばかり垂れ流しているくちびるが
あなたの名前をさがしているんです

ぼくはずっと
世界のおわりをみるために三角ずわりを崩さず、
双眼鏡片手に珈琲を飲んでいたけど
七年間そばにいたぼくの親友とは静かにさよならをしてしまった
お互いに
お互いの存在を名付けられずに
名前がないままでもいられなかったぼくたちはやっぱり子どもで
ほんの少し大人になった瞬間に
さみしさが反発したんだろう

(特に好きでもないテクノを流しっぱなしでいるのは
多分また浸りたいから)

さみしいとばかり垂れ流しているまぶたが
あなたの名前をさがしているんです
あなたが触
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