雪の白とため息の白/麻生ゆり
その衣を投げうって
さっさと神を辞任しなさい!
寒々とした真っ白な空は
何も語らず
地上に雪を落としている
これが何かの贖罪であれば
私たちはどれだけ救われることだろう…
あなたごめんなさい
イブをそそのかした蛇のように
私はあなたを誘惑してしまったのかしら?
二酸化炭素のようなため息は
やがて濁って腐臭などを振りまいてはいないかしら?
せめてわかるまで
どうか私に触れないで!
ため息まじりの雪が
音もたてずに降り積もってゆく
雪も白ければため息も白い…
だけどその白さがどこまで本当なのか
存じる人は誰もいない
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