エレベーター・ミュージック/クローバー
 
、しかし、体はどうしたの?
ムジカは、少し黙ると、
いくら君でも教えられないかな。
と、答えた
覚えているか、あの子守歌。
もちろん。
ムジカは声だけで答える
そして歌いはじめる

こんな狭いところで音楽をささやく
こんな狭いところで赦しをささやく

ミュージックのために祈ろう
いっとき、瞼を閉じる

さて、ここは。
何階まで来たのだろう
表示を見ようとしたのだが数字が見えない、
とりあえず降りよう、と
ボタンを押そうとした指が
もう、自分の指すら、見えなくなっていた。
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