リハビリ/細川ゆかり
 
もう長いこと詩なんて書かなかったから
錆ついて
からんで
どうしようもない

何かにつまづくたび逃げ込んでいた
隠れるようにつぶやいた
前に進むため吐き出した
そこから

またうたえたらいいな
うたいたいな
気ままに
書き散らして残していく

どうせ誰の目にもとまらないのだから
私は
私のために詩を書こう
そこから
何かになるならなればいい

冷たくなった指先と
ひからびてしまったことば
ネット
マイナス

歯がゆくて痛くて仕方がないけど
止めてしまったら動かないのなら

ひとつ
またひとつ
放っていく
こぼれて
拾い
放てるときがくるまで
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