フクロウと北極星/楽恵
 

北極星はようやく気がつきました
自分が夜空を楽しく旅してこれたのは梟のおかげだったことを
それからしばらく
かつての北極星は新しい北極星じっと見つめていました
かつての北極星には梟がいましたが
新しい北極星にはもう誰もいませんでした
ああ僕はなんてことをしてしまったんだろう
僕は君をひとりぼっちにしてしまった
君は僕の孤独を理解してくれるたった一人の親友だったのに
僕は自由を得るため
世界でたったひとりだけの
寂しさを分かちあえる本当の友だちをなくしてしまったんだ


夜明け前、流れ星がひとつ空に消えました
その星がかつて北極星と呼ばれた星の王様であったことに
気づいたものはありませんでした

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