吾輩も猫である/yo-yo
 
もとぎれると彼らは手をこまぬいて飯を食うよりほかになんらの能もない凡人になってしまう」と もっとも 詩人は逆上などという俗な言葉は使わない 「インスピレーションという新発明の売薬のような名」をもったいそうに唱えるらしい 彼らの武器はインスピレーションと言葉だ だが それだけでは詩は書けない 詩は煩悩だ 解脱だ インスピレーションからの解脱 言葉からの解脱だ



……逆上して、
やっと野良から解脱してみると、やつは鳩をくわえたまま尻を振って去っていくところだった。野良たちはどいつも丸々と太っている。みごとなメタボだ。それでないと冬は越せないのだろう。やつらは自然の摂理で生きている。風と草しか見ていない。いつもそっぽを向いてどこ吹く風、俺に挨拶するやつなど一匹もいない。馬鹿は相手にしないつもりらしい。やつらは、すでに解脱している。






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