こどくのあし/白砂ユキ
 
しずかにやんだ川を
木につるしてから出かける
まだわからずに
陶器の横顔
すれちがう人を
飲み干した
だけの流れ
持てやしないまま
垂れおちるときの膨らみ
あらわれた褐色に
もう私が寝返りをうつ
、の中につづまる蜂は
みしりと音を立てて


ここ、
ここで竦む風船のなか
模様を吹きながら
洗われた欄干
跳び落ちらない
住基のすみに
あなたが点を
うがち、
克ち、
もとを辿る
つぶれた無線機
ふり返るままの柔らばかりが
かたい
のかな
面白いことだけが
おちてくる
バウンディング


つれていかない
さしだされない
歯のつぶは灼
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