薄荷の氷を食べる頃/白砂ユキ
 
粒をうみながら、たべる、たべる。耳の冷えるような緩衝地帯。口の下をすべって。

ヴァイオラ・それだって窄まれる・めらめらとした真水のような爪印・知覚を遂行した海辺・心もとない排斥・墨に向かい微笑む彼こそ・鬼百合の腹を・撫でていたいもの・肌を渇き・森を割き・恐らく・わた、しも転回を、して、(いるのだとおもう

おもってもいけないのは調律。砕いていく梔子の群青、身を抓まれ(ほどける)神留の繊維。(薄荷の染みはそのままに/して置いて/欲しいけれど/宙吊りの蛇とここでずっと/糸を嘗め続けるからきこえてはいけない)あなかしこ、泳いで占めて白い鱗粉を黎明に乗せ今日もお前たちの氷河が寂寞の弓に融ける。
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