薄荷の氷を食べる頃/白砂ユキ
うしろの青銅人間。やわらかい喪服の沈香。崩落と流氷、ぬいだ後の膜、爪に凭れる泡と土もすみやかに認知している、間延び。靭帯。香は甘くなり照らす、廃棄物としての玉足の回路。事象が帽子を投げたところから針の/さき、くしぐ睫が光る中。
石は蜜のような雨。燃えさかる滴の頃、島に寝る。野良色は背が高い。赤道の首。差し目をまたぐ猫、家屋。温いまま零れた紫の歩幅。近未来を凌ぐ天球。雨にとかす薄桃。好色な道路は立ちすくみ、黒い小骨を海にして渡る。
帚木のレモングラス。濡れ烏としての張力を切り取り、滴に雪の結合体が濛々と落ちる。内包。曇りにひたす水、鏡が生成されたという周知に/右と左を分け、紫に白い歯粒を
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