高麗青磁双耳壷の印象/楽恵
 
してからは趣味程度にしか陶磁器に触れていない



ねえ先生、私が逃げるように先生から去って
本当は内心ほっとしたでしょう?
先生から東洋陶磁学とセックスの基本を叩き込まれたのに
私、お礼の一言もしなかった
意地悪だったかしら
でも先生、私、意地悪な女のままでいたいと思うの
高麗青磁のあの青のような女でありたい
意地悪で冷感症の磁肌に
硬く透明な釉薬をかけて
五百年でも千年でも
すっくと独り立っていたい
そう思うの

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