泥の川から/
ゆびのおと
大気にはりつめる 甘く あたたかな 匂い
泥流から 水面を割って 境界を 越えた瞬間
蒸発して 真っ白く 散ってゆく
ゆらぐ さざなみの 光は
あつく うすく 屈折した虹をまき散らす
虹にのって かる く ふみこえる 死線
足下を 流れる川の
水面下には
広々と
あなたのかげ が
(ながれ くだり ひろがり ふくらみ)
わたしは
かるく
草のような
光のような
おとのような
色彩のラプソディーを踏んで
源流をめざす
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