勝利という概念は記号の罠だ 仮説メモ/結城 森士
 
どうしても生きていることの矛盾に繋がってしまうのだ。もう少し詳しく言えば、私達は生き物を食べることで生き延びている。殺戮することで生き延びている。殺戮こそが生きる術である。また、人間同士でも、全ての人を救うことは不可能である。もし例え、人々が最大限、平和に過ごしても、人口が増えすぎると食料が無くなり、危機に陥る。だから、「全ての人が幸せに」「全ての生命が幸せに」…そんなことはありえないのだ。

なのに、僕ら人間は、全ての人間を、全ての生命を幸せにしようと考えてしまう。根本的に不可能にも関わらず。そこで矛盾を感じたりするのだ。
「人間とは、優勝劣敗という、生物の根本的な本能を否定することが出来
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