窓。/hope
 
は淀みなく、音もなく流れていた。
脈打つ肌の切れ目から。
流れるそれを静かに、舐めるのです。仔猫は。
四角い窓に切り取られた夜空。
つきあかりすら眩しいこの部屋の、真っ赤に染まってゆく私の手首を照らしていたの。
落下するその速度は、更に加速してゆく。

脳が、
心が、
体が、
「もうすぐ終わるのね」 と。

私は今、笑っているのかしら。それとも泣いているのかしら。
今となれば、それもまたどうでもいい。

加速して、加速する。

だから私は、眼を閉じたの。「もうすぐだよ」って、喜ぶ誰かの声は、きっと私の声でもあるのでしょう。 もうなにも叫びたくない。見て見ぬフリ
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