『nopain island』/川村 透
りこんだのね。母猫がいたの、不具の
--ええ、不具の母猫の顔は気高いくらいに、醜く、て。
神島にひまわりの咲く、道があって池のそばにも泥の猫のにおいが
満ちてて、蝶を追いかけたあたしを追いかけた子猫に頬ずりをした
----アサギマダラを
--追いかけた蝶を蝶を捕まえた麦藁帽子が円をなぞって強い力で草むらに倒されて
ひまわり、の首ごとアサギマダラはふたつに裂けた裂けた
その羽に、マーキングしたのは、
あたしのなくした痛み痛みいたみだったの。痛みだったいたみだったの。
no no-pain、painful、赤えんぴつは嫌い嫌い嫌い嫌いきらい。
--pai
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