Ridges of December/瀬崎 虎彦
ンディ
分からないからこそ考える
そういう授業をする僕の
この鬱陶しさは伝統の継承だ
枯葉を踏み 冷たい土を感じ
見失うために出会ったものを
取り戻すために何が出来る
自由に文句をつける前に
ただ一度きりの横柄さでもって
砕け 自分自身の弱さを
after story
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そう 循環史観に身をゆだねると
かつて船を漕ぎ出した場所や
ディテールを排除した上での
共通性がヴェールの向こう側に見える
黒板に字を書き 外国語を徹底的に
腑分けするように 分析していく
意味の迷路の中で見失うのは
分かった気になってしまう傲慢さ
そう 暮れるのが早くなったあの季節
僕は誰もいない教室で
今あるような授業を練習していた
黒板に字を書き そこにいない
学生たちと対話をするように
外国語の解剖授業をしていた
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