だいすきなフレデリカ/ねことら
だ、
フレデリカ、だれにもおいつけないスピードできみはとおくへいってしまった、方法は問題じゃない、だれにも許す許さないの権利はない、ぼくはあの日、おさなすぎて葬儀には参列できなかった、大人たちから簡単に伝聞された、教室は君の抜けた穴の周囲をきもちわるくうごめいていてぼくは耳栓をしてしまって、
フレデリカ、しばらくしてあの日と同じように、夜のプールで、薄く白い石を水底に見つけた、君の骨だ、ぼくにはわかる、肋骨のかたち、ぼくにはわかる、脛骨のかたち、舌先で静かに触れてみる、つめたい味がした、輪郭のない安心があった、触れていたかった、突き抜けるような痛みのひかりのなかで、もっと、もっ
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