白黒/ヨルノテガム
それくらいの 笑顔が見たい
薄紅の 口元に灯る 月のひかり
火をつけて 昔の女は 語り出し
サティの調べ のような目をする
シロクロの 写真でうつす 恐竜時代
冬暮れの うすきみの森 駆け抜ける
ある日
女の顔が花で
ジュースを飲んでて
女の口が花でジュースを
チュウチュウしていて横顔が
ちょっとした絵のようで 絵になるよ、と
言って 服を脱がせた それ以来
何も見ていないような目で
起きて寝て素晴らしい
日が次々と来る
ようだった
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)