時代/森の猫
 


わたしなんか
いらない
役に立たない
消え入りたい・・・

幼子と息子の介護が
この欝をなんとか
もちこたえさせた

シャワーもあびられない
食事も作れない
毎日の養護学校への送迎
息子の介護
末娘の世話

真ん中の長女には
気が回らず
引きこもりになる

そんな中でも
病院へ通い 薬を飲み
寝られるだけ寝て

体調の良いときは
一泊の外出をした

今 だから書ける6年の
濃密な時間

その間
夫はいたって普通に
会社勤めをこなした

何事も家で起こってないかのように・・・

夫に頼ることは思いつかなかった
わたしひとりが我慢すれば
なんとかなると思い込んでいた


わたしは詩を書き
朗読という希望を持ち
暮らしている

息子は要介護1級の障害者だが
明るい家族の中心だ

末娘はオタクの小6
長女も病院へ通い始めた

夫の言葉 ”向き合えよ”
わたしは 逃げているのだろうか

まだ 答えは出ない

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