うずくまるから助けて欲しい/虹村 凌
屈折が
そうさせているのかも知れないけど
それでも死なずにいる
それでも狂わずにいる
それでも倒れずにいる
そのしつこさは病気並み
とっくに病んでるけど
笑えるから
まだ大丈夫だろう
どこに助けを求めていいかわからず
伸ばしかけた手をいつも縮こめる
誇大妄想と被害妄想と加害妄想で
酷く歪んだ雑音と鈍く尾を引く耳鳴りが重なって
今日も布団にうずくまる
生きるとか助けるとか
全部を定義しなきゃいけない気がして
線を引けない事ばかりの扉の向こうに出ていけない
こんにちは、倦怠
ご機嫌いかが?
独り衣擦れの音が続く部屋の中
上の階の床が軋む音を聞きながら
耳を塞いでうずくまる
助けて欲しい
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