レーゼシ/あすくれかおす
 

もう、傍では生きていない気がする。

生かな。
スロウテンポで、ストローを吸う。
世界の、兎の、視線の、
割り算ができない。
生の。
在るかどうかのために
歯茎をたしかめる。




木こりは大して勇敢ではなかったが、
よく働き、たくさんの木を切った。
よく切れる、魚の腹みたいな色の刃が彼を助けた。
けれどもその切れ味を執行するとき
ふるえる彼の右手を握るのは
いつでも素朴な取っ手の役目だった。



なんどガムを噛んだら
宇宙のことが分かるだろうか。
うす桃色になるまで
長い時間を噛んでいた。
やがてはあごが疲れて
あごが疲れるにつれて
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