鳥かご少女/空都
 
ひとつの話をしよう

あるところに少女がいた
美しい少女がいた

その少女はあるものしか食べない


チョコレートか

キャンディか

ショートケーキか


いいや

少女は鳥を食べた

飲むように生きた鳥を食べた

食後の少女のため息は
霞になって空に消えた


かごが鳥をいれる

鳥がかごにはいる

それは自然で必然で

耳がくすぐったくなる声で笑う



その少女は鳥かご少女


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