未来への距離/百瀬朝子
 
あの白い階段を登るけれど

  ひとりぼっちはいやだ とか
  ずっと、ここにいたい とか
  ぼくに困るきみがかわいい とか
  理由はそこらじゅうに散らばっている
  ぼくらは たくさんの理由から
  大切な たったひとつ を
  選び出さなくちゃ いけない みたい

行ってしまう、すべては時の流れるがまま
ぼくらは 好きとか嫌いとか
捉われすぎているみたい
明日降る雨が ぼくの足元を濡らしても
水たまりを乾かす あさってがあるならば
ぼくらは 好きとか嫌いとか
洗い流して さっぱり
未来への距離を、ちぢめてゆける

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