深緑/フミタケ
に座る
気付かなかった景色が見えたけれど
デジカメのバッテリーが切れてもう撮る事ができない
充電したばかりなのに
後で聞いた話ではその時虹がかかっていたって
みんなが写真に撮ってみせてくれた
全然気がつかなかった僕は
公園の木々がくれるやさしい風にさそわれて
思いを馳せていたんだ
誰にも出会わなかったよ
声は遠くでこだましたまま
男の子が思いっきり走ってきて
女の子が滑り台を滑って
ブランコで男の子はのけぞった視線でひっくり返った世界を見つめる
釣り堀から湯気がたち
女の子はボールを追いかける
そんな映像がみえるばかりの
誰もいない休日の広大な公園で
考えていたのは一人の人の事だけ
君はどんな風に歩いていたの?
大切に思うこの場所を
夏にくるなんて馬鹿みたいだって
来るなら秋だよって、笑うんだ
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