カランカラン/ジャイコ
冷蔵庫の中を見つめながら僕はため息をつく
怖かったのはきっと製氷器が動くことを止めなかったから
文字を辿るのと食べ物を詰め込むことは
どこに違いがあるのだろうか
伸びてゆく爪も髪も既に私の支配からは離れてしまっているというのに
ほらほら駄目じゃないそんなに溢しては
さっき落とした硝子の破片が分からなくなってしまう
僕の吐き出した二酸化炭素は既に目の前からいなくなっていて
一瞬白く瞬いた筈の箱の中へと閉じ込められた
冷蔵庫の中で腐っていく生き物たちは僕と手を繋いで
淀んで流れない水と共に閉じ込められた世界に悪態を吐くだけ
なんだかなぁ。
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