魔女裁判/ルナ
 
北の森に住んでいる
ローラという若い魔女は
いつも自転車に乗っています
雨の日はバスか電車です
ほうきに乗って
空を飛ぶことも出来ません
魔法は何も使えません
それでも彼女は魔女なんです
魔法を封じられた魔女なんです

むかしローラは
悪い事を沢山しました
人間を小馬鹿にし
騙して遊び
そんな日々の繰り返しでした

人間達は怒りました
魔女を探せ
魔女を殺せ
白い卵に呪いを書いて
地面にいくつも埋めました

ローラは呪いにかかり
生死を彷徨い
その苦しさから
人の子を1人
殺してしまったのです

西の町に住んでいる
魔法使いの男が
ローラから笑いを奪い去りました
笑顔の無い魔女は
魔法を使う事が出来ないのです

ローラは魔女ではなくなりました
魔女が消えたとき
人間が魔女にかけた
呪いも一緒に消えました

作り笑いしか出来ない
ローラの顔に
本当の笑顔を戻すのは
誰かが彼女と共に泣いたとき
それが魔法使いの魔法を解く方法
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