光をまとっていた/葛西曹達
 
ていた
僕が僕だと思ってたのは
僕の形をした影だ

ただ切なかっただけの
くだらない一コマが
僕を歩かせようとして
ゆっくり近づいてくる

いつか約束した
開ける時の合い言葉
思い出せるだろうか
夜はほのかに輝いている

ずっと仕舞ったまんま
取り出した時に光が
僕の外側へと
飛び出していくイメージ

屈託の無い笑顔で
光をまとっていた
他の誰でもなく
君とそこに立っていた
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