偽造硬貨との3ヶ月に渡る対話で、今朝気づかされたこと。…そして別れ。/ひとなつ
 
貨として、のうのうと…
また誰かの財布の中で戯言をほざくに違いない。

そして、「善悪が買えない」というのも確かにその
通りで、買えるものと言ったらせいぜい板ガムくら
いなものだ…

「お別れだ…」

僕はキオスクのババアに彼女を差し出してロッテ
の板ガムを買った。名残惜しくもない。
「待って…!」
そう言って彼女は僕を引き止めたが、

安心しろ、お前にはいつも5円玉というオトモがつ
いている。それに民主党が税率を引き上げでもすれ
ば、お前の仲間は増える一方さ。



銀紙をめくると、粉吹いた昆布みたいな薄っぺらい
ガムが現れた。口に放り込むと、やはり粉っ
[次のページ]
戻る   Point(2)