製氷器。午前0時。/あぐり
 
しいのです。駆けていく足の意思。欠けていく脳味噌の岸。川。川になって河になって海へ。海へ流れていくのですか。僕が求めて必死で必要としている心の水が次々に零れて海へ流れる。冬の曇りの海の色だから、僕の灰の水は何食わぬ顔で魚や貝やサンゴたちを殺していくのだ。防ぐ?防がなければならない?でも思考が止まらないように心の灰の水の心も淀みなく流れていくよ。午前0時を過ぎて、夜が白濁していく。深呼吸を、呼吸を昔、教えてもらいましたが、肝心な時にその方法を忘れてしまうのです。夜は限りなく白く、孤独に近い。それは誰かがいても変わらない理なのだと思うよ。製氷器にどろどろと、とろとろと溢れていく心の灰の水の心は、時間を
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