あいまいな秋の地平線/within
 
いか/終わりにしないか
どこまでも続く階段。足を使わずに
エレベータに乗ればよかった
一段上れば、一段増え
無限に続く徒労に
そろそろあきらめようかと目を瞑る
眠ろう、薄い布団と毛布さえあればいい

本物の絶望を知らないから 気安く
詞句にして歌ってみたりするが
あまりにゆるすぎて
ハッと気付いたときに
ひどい失望感に襲われる
もう終わりにしないか/終わりにしないか

ひと気のない寺の境内で石を探すのが好きで
どこか僕を呼んでいるような石礫を
拾い上げる
生物は炭素を通過してきたが
コンピュータはケイ素を通過した
石には精神も言葉もないが
角の取れたそれは
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