あふれる/キキ
 
たそれを、(世界に対する記憶を)、砂つぶを押し流す風ごと、わたしは全部持っていきたい。

先生。あなたがわたしの傘をきれいといったから、わたしは(わたしを)理解した。そうしてわたしは先生とわたしを区別した。先生の傘と、わたしの太陽とを。わたしは先生の言葉を上書きしつづける。これがわたしの(世界に対する)儀式。最初と最後をつなぐ物語。わたしはわたしの(夏の)いちにちを産む。(生き物のようにたくさん)たくさん産み続ける。そして全部持っていく。





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