思春期より/笹子ゆら
 


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i am a girl


中途半端に背伸びを繰り返して
落っことしたものはなんだい
多分 あなたよりは美しいもの
そんなもの
いつかは忘れてしまうから

知らない間に歪んだ爪先に
生の喜びを授けようとしていた
わたしの頬に残る赤が
酷く急かすので

好きじゃないって呟いた
あの日の夕陽を返してほしいよ


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無秩序に広がる世界
わたしじゃないわたし
唇から開け放たれていた孤独

どれも正しくなかった
ただ認めて欲しかっただけなのに
割れたコップは戻らない
違わないよ


i am a girl

長い睫毛に残る香りに
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