隠れちゃった、ね。カメレオン/点子
 
も知らないの。
知ってるのは退屈そうな靴の音と、漏れ出たあくびだけ。
それだけなの。
でも良いのよ。
カメレオンが居てくれるから。
それ以上を望んでしまったらきっとこのお店もなくなるし
カメレオンも季節の光を吐き出してしまう。
まずくなったって、ね。

そんなのはまるで嫌だから。
私はここでロッキングチェアに腰掛けるのよ。

あら、もうおかえり?
お好きな季節は見つかった?
おみやげを忘れないでね。

またのおこしをお待ちしていますわ。

(今日の人はいつもの人よりまっくらけっけ。だからペラペラ喋ってしまったのかしら)
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