通学路/百瀬朝子
 
陽光が私の(ゆううつ)を照らし出す
   (私は子どもらしくない子どもになった。私は悪魔の子でしょう
    か。担任の先生は、何を考えているのかわからないと畏れた。私
    は普通の/ただの子どもです。どうして離れたところから、何を
    考えているのかわからないと言っているの。先生もクラスメイト
    も、みんな、真っ暗な穴ぼこだった)
小さな足で通学路を踏みしめる
頭に石を投げつけられた
傷を手で触ったら血がついた
私はあの通学路が嫌いだった
あの通学路をやぶることを
唯一の抵抗にして
私は、
私の(ゆううつ)をわずか晴らしていた
   (頭にあたったあの石は、穴に投げ込まれただけだったのだろう。
    きっと私も穴ぼこだった。真っ暗な)
戻る   Point(4)