通学路/百瀬朝子
陽光が私の(ゆううつ)を照らし出す
(私は子どもらしくない子どもになった。私は悪魔の子でしょう
か。担任の先生は、何を考えているのかわからないと畏れた。私
は普通の/ただの子どもです。どうして離れたところから、何を
考えているのかわからないと言っているの。先生もクラスメイト
も、みんな、真っ暗な穴ぼこだった)
小さな足で通学路を踏みしめる
頭に石を投げつけられた
傷を手で触ったら血がついた
私はあの通学路が嫌いだった
あの通学路をやぶることを
唯一の抵抗にして
私は、
私の(ゆううつ)をわずか晴らしていた
(頭にあたったあの石は、穴に投げ込まれただけだったのだろう。
きっと私も穴ぼこだった。真っ暗な)
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