LOOK/LISTEN/FEEL/within
 
真昼の頂点に、輝く水飛沫があがり、影のない一瞬 私は
ぽかんと口を開けて、天頂を見る、ヤブ睨みをする
不機嫌だった幼児も、相貌を崩し 笑い出す
はしゃぎだした子供たちに大人たちはお手上げ
だけれども
言いようのない、満たされた胸に
四階の階段の踊り場からダイブして、奇跡的に助かった私は
これからも生きることにした
まだ死ねないなら 耳をすませば、聞こえる、ラジオから
宇宙そのものの声が。

苦しんでいる私に「五月蠅い」と吐き捨てた母を
恨んではいない。彼女も苦しんでいたのだから、
それよりも今、静かに眠っている母に
一秒でも安らぎを。

いつか繋いでいた掌の温もりを
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