重さと軽さ/小林 柳
はじめはみんな ちいさくて
とてもかるい
うまれたばかりのとき
目をつぶって あけたら
きえているんじゃないかと
きっとそれくらい
十年、二十年と生きるうちに
私達は成長し 変わっていく
あなたやみんなとの間に
私は少しづつ実っていった
あなたも
私やみんなとの間に
育っていったはず
きっとたまには
こいつなんか 目を閉じたら消えていればいいのに
なんて思われながら
でも まだ私達はここで
その存在の分だけ 世界に強く縛られている
地面に足跡を残して歩いている
自分を背負って
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