つくつくぼうし/ジャイコ
 
私はあなたの緑色を
深く閉じ込めることにしました
かわりに私の藍色を
きみの背に縫っておきましょう

囚われた星は
流れ落ちたきみの
カフスが優しく受け止める
それは仄かに光って私の目印となります

ガラス越しに触れようとして
拒絶されたと信じた私の
流した多くの水分は
きっと自転車の前籠に溜まり
このあいだの雨と混ざって
白く濁ってしまいました

回らなくなった扇風機の
もいだ羽根がいとしくて
夏の終わりに私は落ちた蝉を踏み潰す

宵闇にはきみの首筋に唇を近づけても
きっともう緑色の匂いがすることはないのでしょう

そして私はもて余した熱を
こっそり夜中に冷蔵庫の中に棄てました
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