「晴レテモ尚、雷鳴止マズ」/Leaf
盆去りても尚
陽が翳る事無く
燦々と照り付け
路面熱すと或る日の午後四時頃
やけに冷たいカゼが窓枠を叩く
何種類かの啼き声を
聞き分けられぬ程に
蝉時雨は止まず
其処に丁度雷鳴がゴロゴロ唸り轟けば
烏(カラス)がカアカアと騒々しく我鳴り立て
小鳥がチイチイ啼き始める
愈々(いよいよ)、怒り狂う天変地異の前触れか
一層カゼが冷たく皮膚を刺す
相変らず陽は明暗を二分する
境界の無い空の下
僕等は委ねている
自然の猛威は何の怒りか考えている
地球色のパレットについて考えてみる
それでも雷鳴は止まない
怒っているんだな
何かが段々と擦り寄ってくるみたいだ
命渡るこの時を同じくして
晴れがましい空には冷えて傷んだ静と動
雷鳴が鳴り響き
烏の群れが互いに呼び合い
小鳥達が絶え間無く囀り合い
油蝉と蜩が共に啼き合っていたんだ
それでも人々は悪びれも無く見て見ぬ振りをする
何事も無かったかのよう、しれっとして居る
しれっと
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