少女読本/ヨルノテガム
 



風が目を瞑ってる

 大鴉のブランコに乗ってきたの?

綿毛のメロディを髪飾り

 青空の銅像たちと仲良しになれた?

春夏秋冬 どれが好き?

 キミのことが好き

果かないものたちのために祈ろう

 そうなりますわたしたちのために



夕暮れが笑うから
手をつなぐ 手をつなぐ
何から何まで全部要らないの
衝突するほど守るもの見つけられた?
風のおとは柔らかい
運命と怖れ不安があるから
静かに優しく にじむ
少女色はにじんでいるのよ
大きな声で言わないでね
ダンスを踊ると涙のちかく
海の中から太陽を仰ぐように濡れて
湖面に雲が映るみたく澄んで

進む進む、身体の中から未来の扉は
足音、揺れる可能性の音
苛酷な虹の嗚咽、立ちふさがる試練の山々、
地球を産み落とそうとする懐妊。



風の付録は遥か



わたしのものがたりは
アナタのものがたり

死のダンスを踊ったんじゃなくて
コレが生命のそれなの













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