愛/
曠野
新しい朝の
涼やかな匂い
穏やかな川原の上空
セキレイの鳴き声
ビルの隙間を焦がす
夕日の炎
穏やかな風に
ふるえるまつげ
夏至近く
蜜蜂の金の羽音
葉の露をじっと見つめる
幼い頬
蛍の夕べ
流れる天の川
竜胆からライラックへと
移り変わる秋の空
その全てに
名をつけることが
愛なのか
名づけないことが
愛 なのか
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