カラーバット/光井 新
ブクブクと泡だけが見える。他には何も見えない。
どんどん深く沈んでいく。
あ、昆布。
? 病院・男の子の病室
目覚めるとそこは病院のベッドの上で、五歳だった男の子は二十歳位の青年になっていた。
個室になっていて、窓には鉄格子が掛けられている。起き上がると手錠と足枷が付けられている事に気がつく。
何だか解らない何かの声「うぎゃぎゃぎゃぎゃーっ!」
隣の部屋から奇声が聞こえる。
教授「やっと目が覚めたか、A-02」
青年「ここはどこなんだ? 僕は一体? 教えてくれ! 何も思い出せない!」
教授「そんな事より、気分はどうだ?」
青年「キブン……イジョウアリマセン、セイジョウデス」
おわり
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