こえ/曠野
 
光が差し込んだ喉
の奥から

羽ばたきいずるのは
鳥と
天馬

赤ん坊の開いた口から
さまざまな果実があふれ
母親の乳房に触れる

午後、空は歌いだすのに
耳の聞こえない老犬は
夜の方へ遠吠える

大切に持っていないと壊れてしまう
ガラスのベル

一度だけ鳴らしてもいい

通り過ぎる天馬の
気を引くためになら



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