騒々の庭/
山中 烏流
の言葉を
届けるような術も
持ってはいないから
私は、いずれ
になってしまう
*
昨日
私と同じ顔をした人が
騒々しさの中で
私と
同じようなことを言っては
楽しそうに
会話を弾ませて
笑い合っていたらしい
もしもそのことに
私以外の誰もが
気付かなかったのならば
きっと
私はもとより
ですら
もう、そこに
存在はしていないのだ
*
私を呼んだ声ですら
既に
形を持たないというのなら、
戻る
編
削
Point
(7)