ホワイトスノー/ひとなつ
 
になるとココアを鍋で作る習慣もあった
鍋底に大量のココアパウダーを敷いた上に砂糖をばら撒き
「嗚呼、なんて綺麗な雪なんだ。
君を一目見て、くまも、うさぎも、虫たちも、みんな冬眠のしたくを始めたぞ」

これをやるのが冬の楽しみのひとつであったが、
今年の冬はジェリーのおかげで砂糖が必要なくなってしまった。

しかし、それが出来ない代わりに今年の夏はなにも加えない無添加のかき氷を
「ホワイトスノー」
と呼べるのだ。
そう考えると夏も悪くない気がした。
私は調子に乗って夏休みの予定表にこう書き加えた

「死海に行く」

世にも甘過ぎるジェリー、今年の夏は死海でサーフィンだ。

君がいれば溺れかけたときのあの塩辛い海水もゴクゴクいけそうな気がするぞ。
君は死海の塩分濃度ですら中和してくれそうだ。

こんな時代に手紙を書いてみた。

宛先は自分の住所。内容はこうだ

Dear ジェリー
“この夏は例年より、甘すぎる日が続くはずさ。”

ひとなつ....
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