かげおくり/あ。
みを置きながら
時にはちいちゃんと同じように
家族を呼んで手をつなぎながら
こんなにも青くて広い空の日は
足元に佇んでいる影も濃縮され
よりくっきりとした形の影がおくれる
ひとなつにいくつの影をおくっただろう
友だちと喧嘩して泣きながらおくった自分の影も
走り回るのを無理やりおさえておくった愛犬の影も
煙のように空でかすれているのだろうか
泣いたり笑ったりしながら
それでも繰り返し夏は来る
少しずつ狭くなっていく空を眺めていると
今年もまたかげおくりを思い出し
すっかり大人になってしまった影に目を落とすのだ
戻る 編 削 Point(24)