かげおくり/あ。
 
みを置きながら
時にはちいちゃんと同じように
家族を呼んで手をつなぎながら


こんなにも青くて広い空の日は
足元に佇んでいる影も濃縮され
よりくっきりとした形の影がおくれる


ひとなつにいくつの影をおくっただろう
友だちと喧嘩して泣きながらおくった自分の影も
走り回るのを無理やりおさえておくった愛犬の影も
煙のように空でかすれているのだろうか


泣いたり笑ったりしながら
それでも繰り返し夏は来る
少しずつ狭くなっていく空を眺めていると
今年もまたかげおくりを思い出し
すっかり大人になってしまった影に目を落とすのだ


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