夢みればいつも〜満月とスバルがなかよく散歩する深夜/草野大悟
夢みればいつも
きみは風になっていた
ぼくの右腕をまくらに
くうくう眠っていたきみは
もう、そこに吹くことをやめ
だれも頼りにできない
だれも近づけない青空へ
鎖を断ち切り
安らかさを脱ぎすて
旅立ってしまった
夢みればいつも
きみは光になっていた
ねぇ、無責任な風の吹く
あの夏に戻ってみない?
草いきれの深夜
満月に放精するサンゴの
うす桃色の未来に
やあ、と声をかけて
あら、こんなところで
真実が死んでるわ
なんて
月の光に囁いたりしてみない?
夢みればいつも
きみは虹になっていた
落ちてきたんだ
あまりにも
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