海嘯/ジャイコ
非常に健全なことのようにも思える。
嘘で汚れた僕に絡み付く君の純白が汚れてゆくことに、
僕の心臓はぐずぐずと寿命を縮めていくばかり。
背中で感じた君の声に、僕の喉の奥で固結びされていた記憶が解けた。
楽ばかりしていて、
気づいたらもうこんなところ、
誰か知ってるヒトはおらぬか、
誰か私を知るヒトは、
どうせ我しか見えておらぬ、
他人のことなど誰も、誰も、
点滅する信号機を夜空に掲げ、
黄色い世界へと僕は舞い降りる。
雷雨を眺めながらじっとりとした空気を肺に含み、
白い魚たちが僕の瞼を閉じさせない。
赤い光が明滅するたびに逸る心臓が僕の指先を痺れさせてゆく。
もうどうしようもなくどこにも逃げられない。
赦されない黄金の空は空腹の代わりに何を遺したのか。
いろんな言葉が零れ落ちてきて、
多すぎる結末に僕は飲み込まれている。
口に含んだ君の香りは、
僕の手のひらに縋りついて離れない。
どうか、さいごまで、
さいごまで、、、
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